ツマキチョウ(シロチョウ科)   Anthocharis scolymus
1993.5.22(川原田)    
      

ツマ(棲)とは、和服の前の裾端のこと。棲(翅の端)が黄色なのでツマキチョウで ある。棲が黄色なのは雄で、雌の棲は黄色ではなく白っぽいので平凡だ。蝶も鳥と同じように雄のほうがおしゃれで美しいのが普通だ。ヒメギフチョウがだんだん姿を消すのと入れかわりにあらわれ5月中旬がもっとも多い。私の羽後町での 初見日は5月5日(七高山)である。
6月上旬にはほとんど姿を消してしまう。そのため、ヒメギフチョウなどと共に スプリング・エフェメラル(春のはかない命)といわれている。平地ではあまり見られないが、この写真は、私の家の近くの高校グランド跡で撮ったものである。  飛んでいるときは、白いのでモンシロチョウやスジグロシロチョウと間違いやすいが、小型であること、はねを小刻みに動かしながら直線的に飛ぷのでその違いが分かる。この小さな可憐なチョウが飛びかう頃、山々は新緑で彩られ、山菜を採る人々でにぎわうようになる。

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