前回は虫歯予防と甘味料等について述べましたがその他に
フッ化物を用いて歯の質を丈夫にする、歯磨きなどで虫歯菌
を減らす、歯科医院での定期健診等は、虫歯、歯周病の予
防に大きく役立ちます。
今回は、虫歯予防の他の手段として、世界保健機構(WHO)
などで推奨しているフッ素(フッ化物の応用)について考えて
みたいと思います。
フッ素は、人体中(特に歯や骨に多い)はもちろん、全ての
食物と全ての飲料水に存在します。フッ素を多く含む食品は
魚介類等の海産物やお茶等があり、フッ素は生体必須栄養
素として、1日3mg必要とされています。また、虫歯予防に用
いられるフッ化物は、フッ化ナトリウム(NaF)が多く使われま
すが、これは水に溶けるとフッ化物イオンとなり、海産物やお
茶から溶出してくるフッ化物イオンと全く同じもので、心配あり
ません。
フッ素は、歯質と歯垢細菌の2つに対して効果があります。
1つは歯の表面に作用し、虫歯菌の作る酸に溶けにくい抵抗
性のある歯質にします。また、虫歯のごく初期では、フッ素が
あると、再石灰化を促進し、酸に溶けた部分のエナメル質を
補修し、耐酸性を向上させます。
2つ目は、虫歯菌の発育を抑え、酸を作る能力を阻害する
作用をもっています。でも、フッ素だけで虫歯にならないかと
いうと、そうではありません。インフルエンザワクチンなど「ワ
クチン」が100%予防効果がないように、フッ素も万能では
ありません。フッ素の持つ働きに加えて、規則正しい生活習
慣、食生活、歯磨きなどの実践は予防効果を上げる上で特
に大切です。
虫歯予防に用いられるフッ化物の安全性と有効性は、WHO
国際歯科連盟(FDI)をはじめ多くの専門機関より実証されて
います。また、WHO、厚生労働省等は、虫歯予防のために
フッ化物の応用を推奨しています。
今までの虫歯予防対策は、歯磨きと甘味食品の摂食制限を
中心とした生活習慣の改善を柱に行われていました。しかし
それには限界があり、乳幼児期から老年期までのライフステ
−ジを通して、フッ化物を上手に利用することが、口腔保健
の維持に重要であるとされています。特に、秋田県の虫歯に
罹患している人の割合や虫歯の本数は、全国と比べて高く
できるだけ虫歯を現象させる為には、長期的にみてフッ素は
有効な手段の一つと思われます。
次回は、実際に応用されているフッ素の虫歯予防法について
話したいと思います。