目に余る現政権の「たるみ」と非常識


(-----H.30年8月3日 さきがけ新聞に掲載された。
投稿は7月11日。新聞の文章は下記とやや異なるが、こちらが私の肉声。掲載については感謝------)

7月11日の本誌によれば、西日本に数十年の一度の豪雨との緊急警報が、すでに発せられていた75日の夜、安倍首相を含む自民党議員約50人が、赤坂の衆議院議員宿舎に集まって、酒宴を催していたとのこと。かつ、そこには当人の決断により、翌6日に7人の死刑執行が予定されていた上川法相も参加していたことも報じられている。私はたいへん驚いたと同時に、抑えがたい怒りがこみあげてきた。

5日の夕方、私は往診のため車を運転していたが、ラジオではずっと、気象庁からの緊急警報の報道が、緊張感の中で発せられていた。近年の各地の自然災害の激しさを思えば、その地域から遠く離れた自分も、全く人ごととは感じられなかった。ところが本誌の写真には、まさにその夜に、国の安全に最も責任ある面々が、ほろ酔い加減であろう表情で、災害警報と無縁の姿をさらけ出している。(参加者の中には、首相の他、小野寺防衛相、岸田政調会長、竹下総務会長などの重鎮が含まれている。) また、Vサインをして笑っている女性代議士もいる。そしてその写真を、わざわざSNSに投稿した代議士----、全くあきれる話である。

なお、上川法相の酒宴への参加も非常識なことである。今の日本では、極悪犯罪者が死刑になるのは多くの人が納得している。ただし、刑が執行された7人の中には、心の底から反省している者もいた。重い罪を犯したことは、いかなる方法をもっても罪滅ぼしはできないが、しかし一方では、そういう彼らの命もまぎれもない人間の命ではある。

翌日の刑の執行は当然、同所にいた首相も知っていたはずである。「命」に対する、彼ら彼女らの鈍感さ、それは現政権の政策にも通じているだろう。私たちはそこをしっかりと見つめておく必要がある。