歴史修正主義とは?

 歴史修正主義・revisionism はどこの国にも密かに存在しますが、保坂正康氏の言うとおり、権力と一体になっている国は、日本の他にありません。

 最も有名なのは、「アウシュビッツはなかった」、というもの。数えきれない証拠があるのに、そういうことを言う恥知らずが、ドイツやフランスにけっして多くはないがいるそうです。
 そもそも、「修正主義」という日本語の訳語がまずいもので、別に正しく修正しているものではありませんから、本当は「歴史捏造主義」とでも訳す言葉です。

 安倍氏らは、東京裁判は戦勝国の復讐の裁判であるとか、南京事件はなかったとか、昭和10年代の日中戦争は侵略戦争ではなかった、と言っています。安倍氏は首相になってからはそういうことは言っていませんが、首相になる前は、そういう考えを「正論」や「WILL」などの右翼雑誌に載せていたはずです。安倍氏を支え、今や自民党代議士の半分以上が加入しているはずの「日本会議」では、そういう言説は普通のことでしょう。安倍のブレーンと思われる、八木秀二高崎大教授は、半年前の朝日新聞の記事で「南京事件はなかったという意見もある」、と、それこそ歴史修正主義を、堂々と述べていました。(そう、朝日新聞でさえ、こういう言葉を載せる世の中になった。)
あるいは、首相は、「侵略という定義はない」、と国会でも述べていましたね。