こんな「公共放送」ならいらない
(2017、Nov.  要旨はA新聞に投稿。ボツ。)

「公共放送」は、「国営放送」とは違う。国営放送は、北朝鮮の放送局や、おそらくは中国の放送局のように、自国の現政権に対する批判的なニュースや解説はしない。一方、公共放送は、国民が強制的に聴視料を納めさせられているが、BBCのように放送局と権力とは離れていて、必要な場合、放送局独自の判断によって、時には政権に対する、強い批判をなさねばならない時がある。

NHKは国営放送でなく、公共放送である。しかし-----。

近年、NHKのニュースは放送内容が政権側に片寄っていると感じる。1122日夜9時のニュースも予想にたがわず、落胆させる内容だった。この日は森友学園への土地売却問題を調べていた会計検査院が調査結果を公表すると、前日から聞いていたのであるが---

だがそのニュースはなかなか出てこない。明日の天気予報、北朝鮮の亡命映像、大相撲暴行事件関連、そして今年の家電製品の売れ行き具合ときて、やっと
9時半過ぎからごく簡単にそれは報道された。

この事案は、政治家と官僚における資質と倫理に関する重要な問題であり、しかも当の首相が問題解決の方法論として、「会計検査院にまかせる」、と国会で発言していたものである。検査院の結果は、土地売却の値段が不当である旨の内容だったから、高いニュース性のあるもので、番組の筆頭に置くべきものだった。


ニュース項目の選択とその内容の密度、そして放送の順番は
NHKという組織の中の、幹部に近い上部が決定するものと推測しているが、この番組のような「忖度」が、近年のNHKでは珍しくない。

こういう公共放送なら不要であり、日本の報道の自由度が坂から転げ落ちていると世界から評価されるのも、当然である。

最高裁は、TVを持っている限り、NHKへの支払いは国民の義務と判決したが、私のように「NHKは見ません、だから料金も払いません」、と思っている国民はいっぱいいる。

(なお、同番組の直後の、テレビ朝日のニュースステーションでは、その会計監査院の調査結果を、番組の筆頭で伝え、また内容も濃かった。
何をやってる! NHK)