熱中症 (2) 
もともと健康な人へのアドバイス

1.発汗機能を鍛えておく(時々、暑いところに身をおくこと)

熱中症になりにくい体を作っておく、という工夫はあると思います。

以前は、スポーツ中には、水分摂取を禁止されていました。私たちが、中高生の頃です。今は、適度に水分、塩分をとりながら運動をしているはずで、それはよいことです。

それにしても、野球部の厳しい練習で、4,5時間も水分なしに運動していた昔も、倒れる人(熱中症になる人)は、まずいませんでした。不思議です。

野球部の練習は、静止している時間が比較的長く、それですんでいたのかもしれませんが、今の青少年より、昔の我々の方が、体が強かったかもしれません。

なぜって、我々が子供の頃は、時間があれば外で遊んでいました。しかし、今の子供たちは、家の中にいることが多く、スポーツクラブにでも入っていなければ、戸外で活動する時間は非常に少ないようです(さらには、登校下校も車だったり、家では冷房がついていたり-------)。

人間にとって、暑いときの体温調節で最も重要なのは発汗機能ですが、これは日々鍛えられていなければ、必要なときに力が発揮されません。冷房装置のついた部屋や車の中で1日の多くを過ごす人は、発汗という大切な反応が弱くなっている、大きく言えば、現代文明の中で生きる人間は、意識的に発汗機能を鍛えておかなければ、いざという時に、とても虚弱な人間になり下がってしまう可能性があるのです。

夏の暑い日、適度に戸外に出て、汗を流しましょう。

2. 熱中症になったら

身近な人が、熱中症になったら、どういう処置をしたらいいでしょうか。

別項に書いたとおり、中等度以上では、すぐ病院に行った方がよい。病院ではいろいろな検査をしつつ、体を冷やしたり(体表に水分を吹きつけ、それに扇風機の風を当てたりする、蒸散冷却法)、生理食塩水などの点滴を行うでしょう。
軽症で少し休んでいるだけでよさそうだったら、涼しいところで、衣服をゆったりとして風が通るようにし、可能なら水分を口から補給しましょう(OS1など市販の飲料、それがなければ、水1リットルあたり、小さじ2分の1の食塩を入れて飲ませましょう。

3. 熱中症の予防 

予防は大切です。上に書いた、日頃から発汗機能を鍛えておくことのほか、
・熱い環境の中では、水分補給に心がける。この場合、真水でも悪くないが、スポーツ飲料を半分に薄めたものでもよい。
・通気確保のため、軽くてゆったりとした衣服を着用する。
・労働やスポーツの中では、熱中症の予防・早期発見のための管理者をたて、監視させる。
  日頃から栄養、睡眠、休養などの体調管理に配慮する。
などが、考えられます。