カズオ・イシグロの小説
----私は、いつの日にか、彼がノーベル文学賞をとることもありうる、と思っていました。ただ、今のところ、長編小説としては、7編なので、もう、1,2作、今までのと同レベルで創作したら---、と考えていました。
しかし、2017.10月5日、TVで受賞をきいて、体が震えました。
よかった!
Ishiguroには、読み始めたら最後まで読ませる才能がある。その点では、村上春樹や夏目漱石などと同じだ。テーマが一作ごとに異なるのも面白い。そして深い。
読み始めたきっかけは、英語週刊誌に、彼の新作「忘れられた巨人 The buried giant]の紹介記事が、3〜4ページにわたって載っていて、彼が英語圏でメジャーな作家であることを知ってからである。
★★★★ 「わたしたちが孤児だったころ When we were orphans」 2000
主な舞台は、主人公が幼少時期に住んだ上海。サスペンスとノスタルジーに富んで楽しい。
★★★★ 「私を離さないで Never let me go」 2005
これほど感動した小説はあまり記憶がない。この本から受ける感想は、人ごとに大きく異なると思うが、私自身は、「命のはかなさ」、「老化」、「死」についての考えが、この本なしでは済まされなくなってしまった。怖いSFだが、一方で愛にあふれ、友情にあふれた、切ない青春小説でもある。カズオ・イシグロよ、ありがとう。
★★★★ 「日の名残り The remain of the day」 1989
彼の出世作である。切ない恋物語だが、背景もよい。戦前の英国のエリートたちである。
★★★ 夜想曲集
品のいい?短編集
★★ 「遠い山なみの光」 1982
イシグロが5歳までいた日本・長崎の心の情景をたどったもの。
★★「浮世の画家」 1986
なお、「充たされざる者」 1995と、「忘れられた巨人」はまだ完読してません。
後でもっと書き足したいと思います。