コンサート会場で残念だったこと
(2017,Nov. S新聞に投稿、12月に掲載された。
以下の文章は新聞のと少し異なるが、こちらが私の原文。)

1123日、秋田県民会館でコンサートが開かれ、その最終演目はベートーヴェンの交響曲第三番だったが、そこで驚くべきことが起こった。第一楽章が終わったとき、少なからずの拍手があったのである。

しばし沈黙に包まれるべき貴重な間合い(特にこの作品では、動から静に移るべく重要な静寂)、その中での拍手だった。指揮者のマリオ・コシックもさすがに聴衆を振り返り、左手の人差し指を唇にあて会場を制した。


さて、第二楽章と第三楽章の間はどうなるか、曲を聴くよりも気が気でなかったが、幸い拍手はなかった。ほっとして曲に集中していたところ、第三楽章と、第四楽章の間にまた拍手が巻き起こった。しかも先よりむしろ拍手の数は多いように感じられた。私は唖然とした。

交響曲や協奏曲を聞く場合、楽章の途中では拍手してはいけない。これはコンサートではごく基本的なマナーのはずだが----秋田には世界とは別のルールがあるのだろうか???

この日のブダペスト・フィルハーモニー管弦楽団の演奏が素晴らしかったこともあり、なおさら間違ったタイミングの拍手を残念に思った次第である。




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