認知症の予防

毎日の脳の健康を守る5つの方法

長生きの現代において、なりたくない病気の代表が認知症ですね。認知症の発病は、脳の中の物質的変化、つまり本人にはどうしようもない運命的ともいえる問題であるとともに、生活習慣も大いに関係あるとされています。以下に述べるような点に注意すれば、最善の予防をしていることになります。

(この内容は202411月に一般人向けのある英語雑誌に載っていたもので、アメリカの4人の脳の専門家の意見をまとめたものですが、私も以前から常々思っていたことと同じでしたので、ここに書きます。予防といっても医学では「絶対に」ということはないのは言うまでもないですが。)

五つの項目をあげる前に、総論的なことをまず。

アルコールはひかえめにしましょう。多すぎると脳によくなくて、記憶や意志決定や、感情のコントロールや注意力に関する脳細胞が痛めつけられるそうです。タバコももちろん悪いです。認知症になりやすいそうですし、脳卒中にもなりやすいそうです。

適度な運動とバランスのとれた栄養は必須であり、記憶力を維持し、高齢でも自動車の運転を可能にし、いろんな仕事に従事することができることになる。

では次に大切な5項目。

1.      慢性疾患があったら適切に治療を受けてください。高血圧や糖尿病があって適切に治療されていなければ、動脈硬化が強くなって脳梗塞など血管の病気になりやすいし、認知症も増えるそうです。

2.      できるだけ毎日30分は運動しましょう(最低でも週に3日は運動しましょう)

運動は脳の働きを良くします。記憶や認知・思考能力を良くします。これは軽い認知症の人にもあてはまることです。

3.       バランスのとれた栄養を

このアメリカの雑誌には次のように書いています。「地中海風の食事がよい。果物、野菜、穀物、魚貝類、豆類、そして健康的な脂肪(動物性脂肪よりは、植物性油類のことか)を適度にしっかりとりましょう」。

これは健康的な日本食にそっくり当てはまりますのでいいですね。ただし日本食は塩分が多いのが玉にキズ的な面があり、注意してください。

4.       脳に知的な刺激を与えましょう。

嫌いなことを無理してやる必要はありません。好きなら、何かのパズルや数独とか、やれる人なら将棋とか。この雑誌では、食事ではいろんなものを食べるのが健康的であるように、知的活動もできればいろんな種類がよいそうです。なお、毎日食事のしたくをしている女性は、頭を使っていることにはなります。

5.       十分な睡眠をとりましょう。

ある研究では、50代・60代で睡眠時間が6時間以下の人は、7時間以上の睡眠の人と比べて認知症が1.3倍だったそうです。では6時間以上眠れない人はどうしたらよいのか。日中に適度な運動をすること、昼寝をしないこと、夜にカフェイン飲料ややアルコールを飲まないこと、寝床でテレビやスマホを見ないこと、などがポイントです。

湯沢内科循環器科クリニック 山本 久



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