其の七 最後の謎


 

 前述の五つの寺と二つの神社を地図上に配し、その七つの点を線で結んでみた。するとどうだろう、地上に描かれた巨大な北斗七星が姿を現すではないか(少々いびつながら)。これこそ星の菩薩となった能恵姫にふさわしい鎮魂の曼荼羅ではないか。もちろん、これらがある意図をもって配置されたものとは思わない。そして、この七地点の選択自体全く私の主観によるものなのだから。

 ただ、わたしがこの七つの星の配置が気に入っているのは、其の中央に「天ヶ台」という星の信仰を想起させる名を持つ山がそびえていることと、北斗の破軍の釼鋒(けんさき)が七面山を差していることである。七面山と言う名の山は全国各地にあり、そこに祀られる七面天女は日蓮宗における法華経の守護神として信仰されているが、もともとこの神は修験系の神であったとされている。そして、この七面天女もまた龍の化身であり、もうひとりの龍女なのである。さらに、若尾五雄著『黄金と百足』によれば、七面とは七つの星、つまり北斗七星の意とされているのだ.....。


七面天女


 偶然というにはあまりにも神秘的な形と符合。われわれはこの巨大な曼荼羅の中に守られつつ生きているのかもしれない。



 皆さんと共にたどってきた能恵姫物語を巡る旅もそろそろ終わりに近づいたようです。この旅のご感想はいかがだったでしょうか。

 私なりに謎解きをしてきましたが、そもそも七つの謎なんて私が考えたもので、ほんとうはなにも不思議な事など無いのかもしれません。ただ、このようなことを思いながら眺めると、この見慣れた風景の中に、もう一つの世界が見えてくるような気がします。それが「幻視」するということなのですから。


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