キアゲハ(アゲハチョウ科)  Papilio machaon hippocrates
   
1998.8.6(川原田)

 名前のとおりキアゲハは黄色っぽく、アゲハはクリーム色で、飛んでいる時は白っぽいので見分けることができる。県内のアゲハチョウの仲間で、一番多いのがキアゲハである。                          人家の周辺などの平地から山地までどこにでも生息している。鳥海山の山頂近くで、キアゲハが力強く飛んでいるのを見たこともある。  
伊勢鉢(元西)の付近の草むらの群生しているセリに十数匹の幼虫のついているのを見つけた。その中の数匹を持ち帰り飼育してみた。やがて蛹になり十日ぐらい経ったら、蛹から寄生蜂
が出てきた。ハチがどのようにしてキアゲハの幼虫を探し求めたかは知らないが、キアゲハの幼虫に卵を産みつけたのだろう。キアゲハの幼虫の体の中で卵からかえったハチの幼虫はそこで育つのだが、どこを食べるとキアゲハの幼虫が死んでしまうかを知っている。早く死なれるとハチは自分の食べ物を失うことになる。だから致命的な器官はある時期までは決して食べない。自然界を生き抜く力、そして厳しさを知る思いである。

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