転がるものと速さのかんけい パート2

西馬音内小学校5年 ハート

1.動機

 昨年このテーマで、いろいろなものを転がしてみたら、水を満タンにしたペットボトルが一番速いことが分かりました。そのあと「ころりん」(仮説社)という本を読んでみたら、転がるものの速さについて、形が球でも円柱でも中身が液体の方が固体のときよりも速く転がることがわかりました。その理由は、固体は中身も一緒に回りますが、液体はほとんど回らないでスルスル落ちていくからです。
 そこで今回は、ペットボトルの中の液体の量や種類によって速さはどう変化するのか、調べてみることにしました。

2.目的

 「液体の量によって転がる速さはどう変わるのか」また「重さのちがう液体で、転がる速さはどう変わるのか」について知りたい。

3.仮説1

 わたしは「空のペットボトルよりも水を満タンにしたものが速いので、液体の量をふやしていけばだんだん速く転がる。」だろうと考えました。

4.そう置

 上の図のような坂で実験しました。
 上から6cmの地点からペットボトルをスタートさせ「ドン」という音をゴールとして時間を計ります。ストップウオッチで5回計り、一番近い値3回分の平均をそのタイムとします。

5.実験

 500mLのペットボトルに水を100mLずつ増やして転がし、速さを調べる。

6.結果1

 結果は、下の表やグラフのようになりました。中身が空のときは3.04秒で転がりました。中身をふやしていくとだんだん速くなり、水を満タンにしたときは2.12秒でした。グラフはこのように右側がさがる形になりました。
    
水の量 (mL)タイム(秒)
3.04
1002.94
2002.56
3002.46
4002.38
5002.28
満タン2.12

7.仮説2

 水より重い「みりん」や水より軽い「油」で同じ実験をすると、結果1のような右側がさがったグラフが表れるが、重い液体ほど速くころがる、つまりみりん→水→油の順に速く転がるだろうと予想しました。

8.実験2(1)

 水より重いみりんを500mLのペットボトルに100mLきざみでふやして転がす。

9.結果2(1)

 結果は、下のようになりました。 100mLのときには3.68秒500mLのときには2.41秒で、水と同じように中身をふやすとだんだん速くなり、右側がさがる形のグラフになりました。
    
みりん(mL)タイム(秒)
1003.68
2002.92
3002.77
4002.54
5002.41

10.実験2(2)

 水より軽い油も同じように、100mLきざみでふやして転がす。

11.結果2(1)

 結果は、やはり下のようになりました。100mLのときには5.42秒500mLのときには2.36秒で、やはり水と同じように中身をふやすとだんだん速くなり、右側がさがる形のグラフになりました。
    
油 (mL)タイム(秒)
1005.42
2003.42
3002.82
4002.78
5002.36

12.考察

 3種類の液体で実験した結果のグラフを、下の図のように一つにまとめてみると次のようなことがわかりました。
 まず、3種類とも100mLから200mLにした時が急に速くなっています。
 それから、3つのグラフはどれも右側が下がる形でよく似ています。しかし、ころがる速さは、水→みりん→油の順に速く、重さの順、みりん→水→油とはちがっていました。液体の重さの順に速くなるわけではなかったのが意外でした。
    
量 (mL)
みりん
1002.943.685.42
2002.562.923.42
3002.462.772.82
4002.382.542.78
5002.282.412.36
 そこで昨年の実験で水あめが一番おそかったこと、「ころりん」で固体より液体が速く転がると書いてあったこと、ボトルに液体を入れた感じから、液体のサラサラ具合が転がる速さと関係あるのかと思いました。水が一番サラサラなので、一番速くなったのはそのせいなのかなと思いました。

13.まとめ

○どの液体も、量が多くなればなるほど速く転がる。
○重い液体が一番速く転がるとはかぎらない。

14.課題と感想

 昨年の実験から、空のペットボトルよりも、水を満タンにして転がした時が速かったので仮説1を考えたが、実際その通りになりました。仮説2もだいたいその通りでしたが、液体の重さの順に速く転がるわけではなかったのが意外でした。転がる速さの順番は、何の順番なのか、課題として残りました。